書籍一覧 新刊
太田土男
『季語深耕 田んぼの科学 ―驚きの里山の生物多様性―』
「田んぼの科学」としましたが、難しいことは書いていません。イネを中心に農村は展開しています。「兎追いしかの山/小鮒釣りしかの川」の里山に郷愁を覚える人は多いでしょう。原生の自然ではありません。しかし、沢山の動植物が人と関わりながら生き生きと暮らしている自然があります。俳人の吟行の場でもあります。もっともっとこの場を楽しんでいただければいいと願っています。
(まえがきより)
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46判/192頁/並製本 ISBN978-4-86435-531-5 C0095 |
定価:2,200円(税込) |
発売:2022年7月6日
目次
まえがき
一 プロローグ
稲の起源
日本人の稲の選択
里山
二 田んぼの四季 ―春―
春田
ゲンゲ/ヨモギ/スギナ/オオイヌノフグリ/シロクローバ/苜蓿の誤認/
タンポポ/スズメノテッポウ/タネツケバナ/田打桜(辛夷の花)
田起し
畦塗り
モグラのトンネル
種選び・種浸し・種蒔き・苗代
イネの品種
三 田んぼの四季 ―夏―
代搔く・代田
田植え
田植時期/田植機/昔の田植え
田んぼの動物たち
メダカのこと/外来生物、アメリカザリガニ・ウシガエル
食物連鎖と棲み分け
植田・青田
青田風/雷のこと/田水沸く/蛍の頃/赤蜻蛉
水喧嘩・水盗む・雨乞い
虫送り
イナゴ
水田雑草
ノビエ(野稗)
夏の畦道
ハルジオン・ヒメジオン/ツキミソウ/ギシギシ類/オオバコ
四 田んぼの四季 ―秋―
出穂に向けて
稲の花
実りに向けて
冷害/米の収量・水田面積/多収穫/落し水/
案山子・鳴子・鳥威し・威し銃
イネの収穫
稲架/籾殻焼き/新米・今年米
コシヒカリものがたり
新田開発・転換畑・耕作放棄
ミミズのはたらき
気候温暖化と米
刈田・穭田
秋の草々
草紅葉/イヌタデ/ススキ/ツユクサ/草虱/メヒシバ/
ヒガンバナ(曼珠沙華)
五 田んぼの四季 ―冬―
冬田
冬草/草木の越冬
藁と藁仕事
六 田んぼさまざま
裏作麦
水田のダム機能
棚田
世界農業遺産の棚田
ビオトープ
クラインガルテンとB&B
パブリックフットパス
農村の機能
生物の多様性
有機農業
農耕儀礼
神楽・里神楽・田遊び
早苗饗・馬鍬洗い、鎌祝い・刈上げ・秋収め・田仕舞い
草の遊び
七 田んぼの近くで
山焼き・野焼き
草原の山焼き/焼畑という山焼き
カマキリのはなし
水のはなし
水の地球/光合成 ―水は有機物を作る/水は循環する/水の分布/
水は山と海を繫ぐ/水は植物的景観をつくる
八 機械化時代の田んぼを詠む
主な引用文献
あとがき